仁科幸恵展に行ってきました
仁科幸恵展を観に、代官山のギャラリー子の星に行ってきました。
Yukie Nishina is interested in painting faces, especially eyes of people. She spent a long time in painting the face of her family cat, and also the eyes of tomatoes grown by herself.
東急東横線の代官山駅から、線路沿いに渋谷方面に細い坂道を下っていくと、右手にギャラリー子の星が見えてきました。
通りに面した入口から、ギャラりーの展示室内に入ると、正面の壁に、100号サイズの油彩画が迎えてくれました。玄関に腰かけた、女性が描かれています。下駄箱の上には花が飾られていて、手前の床には花柄のマットがひかれています。何気ない日常的な風景を描いているようでありながら、何かちょっと様子が異なる。そもそもなぜ玄関なのか? 女性は全身リラックスしているようですが、両目は何かをしっかりと見つめている様子。玄関で何かをじっと待っているようにも見えます。
少し奥まった部屋も展示室になっていました。猫を抱きかかえた婦人の絵です。そういえば、現在、東京都美術館で開催中のポンピドゥー・センター傑作展にも、レオナール・フジタの<<画家の肖像>>と題した、猫を抱いた人物画(自画像)が展示されていたことを思い出しました。フジタの絵では、フジタ自身が目をしっかりと見開いていて、鑑賞者に何かを強く訴えてくるようですが、猫はというと、のどを撫でられて、安心しきった様子。一方、仁科さんの絵はというと、目をはっきりと見開いているのは猫のほうで、やはり何かをしっかりと見つめています。猫は婦人に抱かれながらも、何か強い意志を示しているかのようです。
母と猫II, oil on panel, 53.0 x45.5 cm
それから、国立新美術館で開催中のルノワール展にも、猫を抱くこどもの絵が展示されていました。こちらのモデルは、ベルト・モリゾの娘さんジュリー・マネらしい。
仁科さんご本人にお話しを伺ったところ、人物のなかでも顔を画くことが、お好きだとのこと。特に目の付近を描いていると、夢中になって、いつの間にか一時間が経っていたということもあるそうです。お話しを伺ってからもう一度見直してみると、入口の左側にあったミニトマトの絵も、違って見えてきました。
このトマトは、ご自身が育てられたとのことですが、なんとなく一つ一つのトマトからも、何かを訴えてかけてくる眼の力のようなものを感じてしまいました。



