沖元かおる展 -出来事と事件-に行ってきました
「沖元かおる展-/ Works on Paper-出来事と事件-」を見に、ギャラリー「つぎのカーブ」に行ってきました。
地下鉄丸の内線、新宿御苑前駅の3番出口を出て、大通り(新宿通り)からローソンの横の脇道に入って少し行くと、右手にラーメン屋さんがあり、その横の壁に、「沖元かおる展」の案内を見つけました。矢印が示す方向にある階段を登れ、ということのようです。

階段を3階まで登ると、マンションの一室の扉に、いろいろなものが雑多に貼ってありました。どうも、ここがギャラリーの入口の様子です。ちょっと勇気を出して扉を開けて、中に入ってみました。
ギャラリーといっても、内部は普通のワンルームマンションのようです。玄関には段があり、スリッパに履き替えて、室内に入ると沖元さんと、ギャラリストの都守さんが出迎えてくださいました。都守さんご自身も作家さんなのだそうです。このギャラリーを開いてもう7年とのことでした。
ぐるりと室内を一回りして、一通り作品を拝見しました。これまで拝見した沖元さんの個展では、「井の頭公園のバイオリニスト」がテーマだったり、「抽象画」だったりしたのですが、今回の個展では、特に決まったテーマは無いように見えます。沖元さんにお聞きしたところ、壁に貼られた一枚の紙に沖元さんのメッセージが書かれているので、読んでみてほしいとのこと。
なるほど、「これまで何かにとらわれていたので、今回はそれを壊してみた」そうなのですが、その一方で、表現したいものについては、バイオリニストのときから、ずっと一貫して変わっていないのだそうです。
この作品は、包み紙に描いたそうですが、紙の端が破れたままですし、梱包に使われていたテープもそのまま残っています。いつものことですが、画材へのこだわりの無さにはびっくりさせられます。しかも、それが奇をてらったもの、とは感じさせないのが不思議です。それが沖元さんの「とらわれない」ということなのかもしれません。とはいえ、一方で、そこには、何かしらの必然性があるようにも思えてきます。
例えば、キャンバスに油絵の具で作品を描いて、きちんと保存すれば100年後でも、200年後でも鑑賞に堪える可能性が高いと思うのですが、そんなことには、一切重きを置いていらっしゃらない。そうではなくて、その時、一瞬に感じたことを、そのまま何とかして画面に表現することに苦心をしていらっしゃるように見える。だから、いちいち下絵など描いていられない。いちいち木枠にキャンバスなどを貼ってるうちに、折角の貴重な一瞬が消えてしまう。
それは沖元さんのこだわりでもあり、闘いでもあり、作品の魅力にもなっているように思われます。
その一方で、ふと、沖元さんの場合、「とらわれない」ことに、「とらわれる」必要も、あまり無いのではないかとも、思われました。例えば、「バイオリニスト」に「とらわれていた」時の個展では、展示ギャラリーの部屋中にバイオリンの音が鳴り響いているように感じられて、びっくりしました。あれは、「とらわれていた」というよりも、むしろ「共鳴していた」、と表現したほうが適切かもしれません。そして、それは沖元さんにしかできないような展示だったような気がしました。