郷さくら美術館に行ってきました

桜の花が満開になりました。お花見をかねて、郷さくら美術館に行ってきました。

東急東横線の中目黒駅から表通りを離れて目黒川にまでくると、すでにお花見客でごった返していました。人混みをかき分けるようにして、橋を渡ると人通りが急に少なくなり、郷さくら美術館東京の黒い建物が見えてきました。

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ちょうど、第4回桜花賞展の開催中でした。桜の花をテーマにした日本画のみのコンテストのようです。一辺が1m50cmもあろうかという大きな桜の絵の華やかな競演です。とは言っても、公募展というわけでもなさそうです。

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立尾美寿紀さんの 《白い花影》 は、白い桜の花と、背景の青の対比が鮮やかでした。描かれた桜の花びらの数は、それほど多くはないのですが、ひときわ際立って見えました。背景には稜線に沸き立つ雲、かと思いましたが、よく見ると緑色の葉が隠れています。ただならぬ構成です。

外山寛子さんの《紅月夜》 は、桜の枝が上側から下に伸びており、その背景は鮮やかな赤に塗られています。ピンク色の桜の花は、まるで金色の雲にからみついているようです。やはり金色の三日月が、下から桜の花を見上げています。京都の祇園の桜をモチーフにしたそうですが、なぜだか、フラメンコダンサーが口にくわえた深紅のバラの花の色を連想しました。そういえば、サクラもバラ科の植物なんでしたね。

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田村美智子さんの《要害桜》は、広島県の名木をモチーフにしたそうです。力強い幹から真横に枝が伸び、荒い筆致で桜の花が描かれています。春にもなれば花もつけるが、華やかさに目をうばわれ、浮かれてばかりいるのもいかがなものか、と老木に語りかけられているようにも感じました。

本地裕輔さんの《春の路》は、満開を過ぎて、散り始めた桜の花の下の流れを小さな舟が遠ざかっていきます。小舟には親元を遠く離れてこれから奉公に出ようとしている少女が乗っているのでしょうか、あるいはすでに西方浄土に旅立って行った人たちの面影が見えているのでしょうか。桜の花の季節は、また、出会いと別れの季節でもあることを思い出しました。

同じ桜の花をモチーフにして、これだけいろいろな描かれ方をしていることに感心しました。桜の花を歌った歌にもいろいろあるように、桜の花を描いた絵にもいろいろあるようです。

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帰り道に、目黒川にかかる橋を渡ってから、もう一度建物を振り返ってみました。相変わらず、目黒川に沿って多くの花見客が切れ目なく行き交っていました。これほどたくさんの人達が時を同じくして桜の季節を楽しんでいますが、それぞれの人には、それぞれの桜の花が見えているのかもしれないな、と思いました。

来場者の人気投票(複数作品選択可)をやっていました。1階と2階の間の階段の踊り場にあるミュージアムショップで、図録が720円で買えます。ぐるっとパスで入場できます。