森裕子さんの個展「絵の外から窓をのぞく」に行ってきました
神楽坂のギャラリー Ohshima Fine Art で、森裕子さんの個展「絵の外から窓をのぞく」を見てきました。
地下鉄東西線の神楽坂駅から、赤城神社の鳥居の前を過ぎ、赤城坂を下りきったところを右に折れると、印刷会社が集まる一角に「↑4F Oshima Fine Art 」の案内を見つけました。なんでも、元は印刷会社のビルだったそうです。
建物左手にみえる階段が、Ohshima Fine Artへの入口
建物の中に入るとエレベータがあり、ボタンを押してしばらく待ちましたが、扉が開く様子はありません。開閉が手動式だと気が付くのに、しばらくかかりました。4階について、人気のない廊下をおそるおそる進むと、右手の部屋に、白い壁にかけられた、明るい色彩の絵たちが出迎えてくれました。
キャンパスに明るい色彩のアクリル絵の具で描かれています。一筆一筆、筆のあとがみえるほどのタッチですが、全体としてはふんわりとした印象をうけます。これは、ただ花の形を忠実に写しとるために描かれたというようなものではなく、まるで、それを通して、別の世界へ入っていくための入口として、「花」が描かれているようです。
「花」が別世界への入口となっていることは、この絵からもわかります。部屋の中のテーブルの上には朝顔の鉢がおかれており、その向こう側、今しがた開いたばかりにも見える窓の外には、色とりどりの光に満ちた別世界が広がっています。別の世界でも、毎日毎日が綱渡りであることは、こちら側の世界と同じようです。それでも、まったく危なげはありません。それもそのはず、両側の壁にかけられた肖像画の二人が、「何も心配することはない。いつでも、私たちが見守っているのだから…」と、励ましているかのようです。
建物から出てみると、やはり元のまま、ただの古ぼけた、今は使われていない、元印刷会社のビルでした。ふと、今しがたまでいた部屋は、まるで別世界だったかのような錯覚を覚えました。しばし、優しい気持ちを思い出させてくれる、そんな絵たちに出会うことができました。
FACE展2016で拝見した、「空中ブランコと刺繍」も素敵でしたよ。

