FACE展2018に行ってきました

FACE展2018を見に、損保ジャパン日本興亜美術館に行ってきました。あいにく、天気は雪混じりの雨だったので、新宿駅からできるだけ地下を通り、損保ジャパンのビルの少し手前の交差点で地上にでました。

FACE2018_01
 展示会場の入口にて

展示会場に入ると正面に、今年のグランプリ作品が展示されていました。

FACE2018_02
 仙石裕美さん、「それが来るたびに跳ぶ 降り立つ地面は跳ぶ前のそれては異なっている」(グランプリ)

裸足の女性が大縄跳びを跳んでます。ミケランジェロ風のたくましい脚ですが、顔は見えません。縄ははるかに長いのに、跳んでいるのは一人だけのようです。はたして、とんな顔で跳んでいるのか興味がわきます。タイトルから想像するに、「とにかく、縄が来たんだから、跳ぶしかないでしょ、理屈じゃないのよ」という状況のようです。赤い色が生きるエネルギーを強調しているようです。古今、女性像は絵画のモチーフですが、現代絵画では、女性もたくましく描かれるようです。

FACE2018_03
 阿部操さん、「The beautiful day」(優秀賞)

一転してこちらでは、とても淡い色彩で、ごく自然体の静かなポーズで女性が二人描かれています。夏でしょうか、半そでにサンダル履き。背景は海と砂浜のようです。陽ざしは強そうですが、陰影は、ほとんど感じられない。目もはっきりと見開いていて、まぶしい様子もありません。油彩ですが、伝統的な西洋絵画の手法でもないようですし、かといって、日本絵画でもない、独特な表現のようです。阿部さんは、昨年、一昨年と、一人の女性を描いて入選されていますが、今年は二人描いて「優秀賞」。もし、三人描いていたら、果たしてどうなっていたのでしょうか?

FACE2018_04
 佐藤凱さん、「網」(審査員特別賞)

こちらの女性は、輪郭も色も、くっきりと描かれています。毛糸の網目も細かくていねいに描かれています。よく見ると、女性の背景に、一羽のすずめのような鳥が描かれています。鳥は、かすみ網のような網を破って、今まさに、飛び出したところのようです。女性の顔やポーズからは、「私だってやればできるのよ…」といっているような、自信が感じられます。

FACE2018_05
 赤枝真一さん、「ほんとは優しい子」

この作品は、キャンバスの形が四角ではありません。絵に合わせた形に切り取られた板にキャンバスの布が貼られているのかもしれません。タイトルからの想像ですが、本当は優しい子なんだけど、今は一時的にご機嫌が斜め、ということのようです。背景にはピンク色の、妙に高い顔の高さまであるブロック塀が描かれていて、足元には枯れ葉が降り積もっています。一見穏やかに見えながらも、実はしっかりと閉じ込められていて、そう簡単には身動きできないような、それでいて、このままではいずれ埋もれてしまうような、現代の若者が感じている社会へのいらだちを暗示しているのかもしれません。

FACE展は、他の公募展と比べて、女性をモチーフにした作品が少ないように思いますが、入選作品、入賞作品の女性像を拝見すると、単に絵として質が高いというだけではない、なにがしか、それぞれ、ただならぬ気配を醸し出しているようです。