Archive for the ‘個展’ Category

松枝美由紀展に行ってきました

土曜日, 4月 29th, 2017

松枝美由紀展を見にギャラリーあづまに行ってきました。

銀座四丁目の交差点から、一つ先の路地を入り、4月20日にオープンしたばかりのGINZA SIXの少し手前に、ギャラリーあづまの看板と松枝美由紀展の案内を見つけました。

Matsueda_Miyuki_1 

通りから、ガラス越しに、正面の壁に展示してある、大きな絵が見えました。展示室に入ってみると、画面全体に、ピンク色の花びらや、緑の葉、赤い葉がちりばめられており、その背後には、人が手を広げている姿が描かれているようです。一面に咲く花の中で、花の精が喜びのダンスを楽しんでいる姿のようにも見えました。

Matsueda_Miyuki_2 白日夢

階段を上って、二階の展示室にも、大きな絵が展示されていました。やはり植物のモチーフがちりばめられた中に、女性の姿が描かれています。こちらの絵のタイトルも白日夢。植物の豊饒な実りの喜びを、女性の姿を借りて、擬人化して表現しているようです。

Matsueda_Miyuki_3 白日夢

二階では、作家の松枝さんから直接お話しを伺うことができました。この絵にちりばめられている、丸い形のものはリンゴをモチーフにされた、とのこと。

Matsueda_Miyuki_4 

松枝さんのお話では、リンゴや植物の葉を描きながらも、あまり写実的には描きこまないようにしているそうです。かといって、全くの抽象化やデザイン化するところまで、行くつもりもない、というご様子。その中間的なところで、どんな絵ができてくるのか、そのプロセスを余裕をもって楽しんでおられるようにも見えました。肩ひじを張らない、明るい色調の組み合わせと、ゆったりとした配置が、おだやかな雰囲気を醸しだしているように感じられました。

松枝さんは、5月3日から、国立新美術館で開催される、国展にも大作を出展されるご予定とのことです。

沖元かおる展–愚者と狩猟者–に行ってきました

土曜日, 4月 29th, 2017

沖元かおる展–愚者と狩猟者–を見に、gallery iに行ってきました。昨年の7月は、たまたま沖元さんの個展に立ち寄ったのですが、今回は、沖元さんから直接案内状が届いたので、どんな作品を見れるか、とても楽しみにしてうかがいました。

地下鉄有楽町線の新富町駅の1番出口を出て中央区役所の前を通り、半地下式の首都高速の上を渡ってしばらくいくと、道の左手にgallery i の看板が見えてきました。

Kaoru_Okimoto_2-1 個展会場の入口

看板の横の階段を2階に上がり、展示室の入口扉を開けると、沖元さんご本人が出迎えてくださいました。展示室は細長い形をしていて、窓からは自然の光が射しこんでおり、窓に近い壁一面を使って、インスタレーション風の大きな作品が展示されていました。

Kaoru_Okimoto_2-2 壁一面の作品

縦長のベニヤ板の上に直接、等身大のバイオリン奏者が黒一色で描かれています。バイオリン奏者は挑戦的とも見える鋭いまなざしでこちらを見ており、そのまわりを色とりどりの色彩の紙がちりばめられています。今、まさにバイオリンの音色が周囲に飛び出してきたかのようです。

沖元さんは、画材や技法に対して、あまりこだわりがないように見えます。それよりも、まずは、表現すべき何かが、どんどん先行していくようです。その迫力に、見る者は、ぐいぐいと作品の中に引き込まれてしまいます。

Kaoru_Okimoto_2-3 SPAIN

このバイオリン奏者は、毎週週末になると、井の頭公園で演奏されているとのこと。沖元さんは、このバイオリン奏者をモデルに絵の制作を続けているそうです。展示室には、この奏者が演奏するバイオリンの曲が流れていました。また、それぞれの絵のタイトルは、演奏の曲目からとっているようです。

Kaoru_Okimoto_2-4 チャルダッシュ

入り口の近くに、今回の展覧会のタイトル愚者と狩猟者について、沖元さんご自身による、手書きの説明がありました。

誰よりも正確に その音をとらえる狩猟者。
そして私達は 見えない道をやみくもに
わけ入ってゆくしかない 愚者ではないのか。

音楽が瞬間、瞬間に消えて行く宿命の芸術だとして、その瞬間を永遠にとどめようと試みるのが、絵画という芸術の宿命なのかもしれません。音楽家と画家の間の、息詰まるような格闘の様子を、私たちは、はらはらしながら、息をのんで見守っている、ということかもしれません。

Kaoru_Okimoto_2-5 HAKKA

今回の個展では、何点か抽象画も発表されていました。いくつかの作品を見比べると、具象から抽象への発展プロセスが、手にとるように伝わってくるように感じられました。

沖元さんの絵画を拝見するたびに、果たしてをちゃんと生きているのか?、しかないことを忘れていないか?と自問している自分に気が付かされるようです。

青木三篠個展「珊瑚城の夢は醒めない」に行ってきました

土曜日, 2月 18th, 2017

青木三篠個展珊瑚城の夢は醒めないを見に、京橋のGallery b. Tokyoに行ってきました。

地下鉄銀座線の京橋駅を出て、銀座方面の警察博物館前を左に折れれば、すぐ右手に個展の看板が見えてきました。

Aoki_Misasa_01 珊瑚城の夢は醒めない

展覧会のタイトル珊瑚城の夢は醒めないは、看板に使われているこの絵のタイトルからとったものだそうです。ちょっと見た目には、聖母子像を連想するような構成ですが、抱いているのは子供ではありません。赤い石のように見えます。これが珊瑚なのでしょうか? 青木さんにお聞きしたところ、珊瑚城というのは、アメリカのある男性が、愛する人のためにたった一人で28年もかけ、珊瑚の岩で作ったお城だそうで、そのお話しから発想を得たそうです。

Aoki_Misasa_02 被0への祝福

舟に載せられた女性が赤い花束を持っています。その女性に顔をつけて、別れを惜しんでいるのでしょうか? 女性の目はうつろです。青木さんのお話では、トリアージュと呼ばれる治療の優先順位を決める患者の識別法から発想を得た、とのことでした。ちなみにカテゴリー0は、死亡、または救命が不可能なもの、を意味するそうです。

Aoki_Misasa_03 軌跡を追う飛空士

背中に木の板でできた翼をつけて、今にも空に向かって飛び立とうとしているかのようです。青木さんによると、これは、星の王子様さまの作者、サン=テグジュペリを描いたものだそうです。星の王子さまのお話では、飛行士が砂漠に不時着しますが、サン=テグジュペリ自身もパイロットで、1944年、地中海上空で飛行機が行方不明となり、二度と戻らなかったようです。

Aoki_Misasa_04 あの日みる鳥

黒い服を着た女性が背中に赤い球体を背負っているようです。青木さんによると、これは八咫烏を描いたものとのこと。確かに、よく見るとこの女性の黒いスカートの下から、足が三本見えています。すると、この赤い球はお日様、あるいは太陽神でしょうか?

青木さんのお話しを伺っているうちに、いつの間にか、すっかり青木ワールドに取り込まれてしまいました。そのときは、なんとなく、わかったような気になったのですが、後からよくよく考えてみると、実は何もわかっていない、むしろますます謎が深まっていることに気が付きました。

青木さんは、引き続き、3月2日(木)から7日(火)まで、JR中央線、国立駅近くのアートスペース88でも個展を開催されるそうです。楽しみですね。

YUMI 個展に行ってきました

金曜日, 12月 16th, 2016

YUMI 個展を見に、JINEN Galleryに行ってきました。

地下鉄日比谷線の小伝馬町駅の2番出口から、ラーメン屋さんなどを右手にみながら進み、三井住友銀行のATMを右に曲がって小道に入ると、ほどなく右手のビルの壁に案内のポスターが貼ってありました。ビルの中のエレベータで3階に上がると、そこがギャラリーの入口になっていました。

Yumi_01 ギャラリーの入口に貼られた案内

ギャラリーに入ると作家のYUMIさんが迎えてくれました。YUMIさんは、現在、武蔵野美術大学の大学院に在学中ですが、すでに昨年2015年にシェル美術賞に入選、今年2016年もトーキョーワンダーウォールに入選されているとのこと、大変な実力の持ち主です。

Yumi_02 spot no. 15

画面は比較的シンプルな構成で、使われれている色の種類も少ないようです。一つの領域は、混じりけのない単色で塗られており、色と色の境にも、輪郭線は特に描かれていません。大胆で、かつ潔い感じを受けました。

Yumi_03 home no. 9

ただし、それぞれの色は、決して原色ではなく、注意深く選ばれた色と色を、注意深く組み合わされているようです。また、色の構成はシンプルですが、厚塗りの油絵の具の表面からはゆるぎない落ち着きのようなものが感じられます。

Yumi_04 home no. 1

それぞれの領域は、多少の例外はあるものの、縦か横に走っているものが多く、このため、画面構成から安定感と安心感が伝わってきます。色合いの柔らかさと相まって、おおらかな印象を受けました。

Yumi_05 home no. 7

YUMIさんは、来年1月にも、JR中央線国立駅の近くのギャラリー、アートスペース88で、音・空間・光と題したグループ展を開かれる予定だとのこと。どんなグループ展になるのか、今から楽しみです。

小林広恵 個展 「呼吸をととのえて」に行ってきました

金曜日, 12月 16th, 2016

小林広恵 個展 呼吸をととのえてを見に、Gallery b. Tokyoに行ってきました。

地下鉄銀座線の京橋駅2番出口から、警察博物館の手前の道を左におれて、すぐ右手に案内の看板を見つけました。

Kobayashi_Hiroe_01 ギャラリーの入口

地下ギャラリーへと続く階段をおりると、正面の壁に円形のキャンバスに描かれた緑色の絵と、作家の小林さんご本人が出迎えてくれました。

Kobayashi_Hiroe_02 窓の向こうに会いたい灯

池の水面の周囲に広がる植物が描かれているようです。全体的に緑色の色調で描かれていますが、画面の左右に、ほぼ対称的な位置に描かれた赤い花がポイントとなっています。

Kobayashi_Hiroe_03 Botanical garden in Kasugai city

こちらの作品は四角いキャンバスですが、やはり緑色の色調のなかに、ピンク色のバラの花が数輪、描かれているようです。すでに開いた花や、まだつぼみでこれから開く花もあります。小林さんによると、これは新緑の季節に描かれたものだそうです。初夏のやわらかな空気が伝わってくるようです。

Kobayashi_Hiroe_04 呼吸をととのえて

この作品も、円形のキャンバスに描かれたもので、右下に見える白い流れは、滝だそうです。上部の白い部分は、滝つぼの底から見上げた水面のようにも見えるし、周囲にせまった緑色の山の切れ間からわずかにのぞく空を見上げたようにも見えます。作家の小林さんによると、個展のタイトルでもあり、この絵のタイトルでもある呼吸をととのえてはヨガの呼吸法からとったもので、呼吸をととのえることで、自然と一体の境地になることをイメージして描いたとのことでした。そういえば、禅と絵画にも密接な関係があるようですね。

Kobayashi_Hiroe_05 無題

さて、これはいったい何に描かれたものでしょうか? 小林さんにお聞きすると、ドラムのヘッドに描かれたものだそうです。ちょうど他の円形キャンバスと同じぐらいのサイズ。いったいなぜ、ドラムヘッドなのか、まるで禅問答のようで、意外性があって面白いですね。

作家の小林さんは愛知県に在住で、在廊は本日16日金曜日まで、明日はお仕事のため愛知県に戻られるとのこと。一期一会とはいいますが、直接ご本人からお話を伺うことができた、最後のチャンスでした。本当についていました。

酒井香奈展-かぜが吹くとき-に行ってきました

木曜日, 11月 3rd, 2016

酒井香奈展–かぜが吹くとき–を見に、かわかみ画廊に行ってきました。

地下鉄千代田線の表参道駅で下車、A3出口から、善行寺への入口を左手に見ながら、青山通をまっすぐ歩いてゆくと、ほどなく、酒井香奈展の小さな看板をみつけました。

Sakai_Kana_01 建物入口の看板

建物の中に入って、両側に並ぶ店を過ぎ、一番奥の左側に個展の会場に入ると、早速、作家の酒井さんと、ギャラリストの川上さんが迎えてくださいました。入り口を入って、すぐ左手の壁には、アクリルケースに収められた、縦長の絵が展示されていました。

Sakai_Kana_02 「そらからのてがみ」

暗い画面の上から、明るい下にむけて、何かが落ちてくるようにも見えます。「滝のようにも見えますね」と作家の酒井さんに尋ねたところ、これは雪をイメージしたもので、作品のタイトルは中谷宇吉郎の「雪は天から送られた手紙である」という言葉からとられたとのことでした。

Sakai_Kana_03「陽をこえて」「そらをおもう」

酒井さんによると、制作は、まず画面を石膏で下塗りをして、その上から色をつけて、描いてゆくのだそうです。手法としては、中世のテンペラ画と同じなのだとか。時には、指を使って直接画くこともあるそうです。そのほうが、作者の思いが直接、画面に伝わるのかもしれませんね。

Sakai_Kana_04 作品

製作手法によるものか、絵の具の色のにじみかたが独特で、自然なグラデーションから心地よさを感じました。優しい色使いとあいまって、心穏やかな世界が広がっているように思いました。

小河泰帆展 「Inner Voice」に行ってきました

日曜日, 9月 25th, 2016

小河泰帆さんの個展 「Inner Voice」を見に、KURUM’ART contemporary のspace 2*3に行ってきました。

地下鉄の三越前駅のA1番出口から、暗くなり始めた大通りを通って、人通りの少ない小道に入り、しばらく行くと、Space 2*3の看板が見えました。

Yasuho_Ogo_01 小河泰帆展の案内

はからずもギャラリーでは、オープニングパーティーの真っ最中でした。すでに展示室内には人がいっぱいで、一部の人達は通りにはみ出して、個展の開催をお祝いしていました。作家の小河さんご本人も、小雨の降る通りに出て、作品の説明をしてくださいました。

展示室内では、あまりゆっくりできない様子でしたので、通りに面したショーウィンドーに展示してあった3枚の小ぶりの作品をご紹介します。(展示室内にはもう少し大振りの作品も展示されていました)

Yasuho_Ogo_02 Cantabile, 180×180mm, 綿キャンバスにアクリル絵の具, 2016

Yasuho_Ogo_03 Peaches, 180×180mm, 綿キャンバスにアクリル絵の具, 2016

Yasuho_Ogo_04 Citron, 180×180mm, 綿キャンバスにアクリル絵の具, 2016

いずれも、淡いカラフルな色彩で、ややにじみも見られるように塗られた背景の上に、やや濃いめの色の絵の具を使って、くっきりした早めのタッチで前景が描かれているようです。そのためもあってか、画面に立体感や動きが感じられました。見ていると、思わず楽しくなってくるような絵でした。

小河さんによると、まずはサイズと色だけ決めて、画きはじめ、タイトルは絵が完成してから考えるとのこと。「Inner Voice」というタイトルから、ご自身の心のままに、自由に描き進めているのかと推察しました。

パーティーの賑わいと、楽しい絵の色彩で満たされつつ、小雨の中を、帰途につきました。

小河泰帆さんのホームページ: http://yasuhoogo.wixsite.com/yasuhoogo

こぺんなな展-感覚の楽譜-に行ってきました

土曜日, 9月 24th, 2016

こぺんななさんの個展-感覚の楽譜-を見に、NANATASU GALLERYに行ってきました。

地下鉄千代田線の乃木坂駅5番出口から、雨上がりの道を、左手に新国立美術館、右手に青山霊園を見ながらゆるく下っていき、信号を渡って、小道に入ると右手に、雨に濡れたNANATASU GALLERYの看板が見えました。

KopenNana_01 こぺんなな展の看板

エレベータで3階に上がり、ギャラリーの展示室に入ると、こぺんななさんと、ギャラリストの方があたたかく出迎えてくれました。

KopenNana_02 作品

白い壁に掛けられた、卵のような不規則な形の板の上に、白い下地が塗られ、やはり不規則な形が、柔らかな色とタッチで描かれています。

KopenNana_03 作品

こぺんななさんご本人によると、具体的なモチーフというものは無いとのこと。ただ、小さいときから北欧(コペンハーゲン)のおもちゃの独特な色彩が大好きで、その影響を受けておられる、とのことでした。

KopenNana_04 作品

四角いキャンバスにこだわらない、自由な発想で、こんな形のものにも描かれています。最近は、和室の襖絵にも挑戦されたとのことでした。面白いですね。

雨上がりのひととき、自由で柔らかな空間に、しばし浸ることができ、貴重な時間を過ごすことができました。

利根川友理子展に行ってきました

土曜日, 8月 27th, 2016

利根川友理子展を見に、京橋のギャラリー檜に行ってきました。今日は、銀座方面から裏通りをぶらぶら歩いて、高速道路の下をくぐって京橋に抜けてきました。(昔、高速道路ができる前は、京橋川という川があったそうですね)

Yuriko_Tonegawa_01 個展会場前の看板

展示室では、白地にカラフルな色彩で描かれた、木々の絵が迎えてくれました。木の幹や枝の表面は、ひび割れたあとにできた白いかさぶたのようなもので覆われています。その断面は、層状になっているようです。

Yuriko_Tonegawa_02 作品

こちらの絵では、背景にうっすらと、何かが描かれています。山の斜面や他の木々でしょうか? 白いかさぶたのようなものの表面には、等高線のようなものも描かれています。

Yuriko_Tonegawa_03 作品

さらに、こちらの絵では、背景に看板や建物のような人工的なものが見えます。こうなると、手前に描かれているものが、果たして、木なのかどうかもわからないし、どちらが背景でどちらが前景なのかも、あやふやになってきました。すると、白いかさぶたのように見えていたものが、自己表現を始めたようです。おとなしく、木の表面に張り付いているばかりではなく、それぞれが上へ上へと、動き出したようにも見えます。

Yuriko_Tonegawa_04 作品

ほらほら、横になってしまうと、もはや木の表面だったかどうかなどは、まったくわからなくなりました。白いかさぶたのイメージが、まるで生き物のように、押し合い圧し合いしながら、動き出したかのようです。木に見えていたところは、その通り道になりました。

Yuriko_Tonegawa_05 作品

作家の利根川さんによると、昨年、旅行先の八丈島で名も知らない木を描いたときから、この一連のシリーズが始まったとのこと。どんどん自己増殖するイメージの起源は、やはり見ず知らずの生き物(植物)との出会いだったようです。この場合、作家は、増殖するイメージの通り道だということでしょうか? 不思議ですね。さて、このシリーズが、これから、どんな風に発展してゆくのか、とても楽しみにしています。

仁科幸恵展に行ってきました

日曜日, 7月 31st, 2016

仁科幸恵展を観に、代官山のギャラリー子の星に行ってきました。

Yukie Nishina is interested in painting faces, especially eyes of people. She spent a long time in painting the face of her family cat, and also the eyes of tomatoes grown by herself.

東急東横線の代官山駅から、線路沿いに渋谷方面に細い坂道を下っていくと、右手にギャラリー子の星が見えてきました。

Yukie Nishina 01 Yukie Nishina 02 ギャラリー子の星の入口

通りに面した入口から、ギャラりーの展示室内に入ると、正面の壁に、100号サイズの油彩画が迎えてくれました。玄関に腰かけた、女性が描かれています。下駄箱の上には花が飾られていて、手前の床には花柄のマットがひかれています。何気ない日常的な風景を描いているようでありながら、何かちょっと様子が異なる。そもそもなぜ玄関なのか? 女性は全身リラックスしているようですが、両目は何かをしっかりと見つめている様子。玄関で何かをじっと待っているようにも見えます。

Yukie Nishina 03 entrance, oil on canvas F100

少し奥まった部屋も展示室になっていました。猫を抱きかかえた婦人の絵です。そういえば、現在、東京都美術館で開催中のポンピドゥー・センター傑作展にも、レオナール・フジタの<<画家の肖像>>と題した、猫を抱いた人物画(自画像)が展示されていたことを思い出しました。フジタの絵では、フジタ自身が目をしっかりと見開いていて、鑑賞者に何かを強く訴えてくるようですが、猫はというと、のどを撫でられて、安心しきった様子。一方、仁科さんの絵はというと、目をはっきりと見開いているのは猫のほうで、やはり何かをしっかりと見つめています。猫は婦人に抱かれながらも、何か強い意志を示しているかのようです。

Yukie Nishina 04 母と猫II, oil on panel, 53.0 x45.5 cm

それから、国立新美術館で開催中のルノワール展にも、猫を抱くこどもの絵が展示されていました。こちらのモデルは、ベルト・モリゾの娘さんジュリー・マネらしい。

仁科さんご本人にお話しを伺ったところ、人物のなかでも顔を画くことが、お好きだとのこと。特に目の付近を描いていると、夢中になって、いつの間にか一時間が経っていたということもあるそうです。お話しを伺ってからもう一度見直してみると、入口の左側にあったミニトマトの絵も、違って見えてきました。

Yukie Nishina 05 展示室風景。入口入って、左手の壁。

このトマトは、ご自身が育てられたとのことですが、なんとなく一つ一つのトマトからも、何かを訴えてかけてくる眼の力のようなものを感じてしまいました。