Archive for the ‘公募展’ Category

シェル美術賞展2016に行ってきました

日曜日, 12月 11th, 2016

シェル美術賞展2016」を見に国立新美術館に行ってきました。
地下鉄千代田線の乃木坂駅からは、6番出口を出てすぐに、国立新美術館の入口になっていて、もうすぐダリ展の会期が終了するためか、入場待ちの人々で大変な行列になっていました(20分待ち)。

一階の一番奥(1B)にシェル美術賞展の看板が出ていました。

Shee_Award_2016_01s 入口の看板. 作品は, 小川直樹さん「メモリアル」

それでは、気になった作品から紹介します。

井澤由花子さん「生命についての記号と視覚」は、画面全体が青い色で統一されていて、画面真ん中あたりに、鹿らしい動物が小さく描かれています。鹿をじっと見ていると、雪深い森の奥に迷い込んだような錯覚を覚えました。

Shee_Award_2016_02s 井澤由花子さん「生命についての記号と視覚」

渡部未乃さん「海が見える」は、画面の左側に緑色の植物らしいもの、画面の右側にピンク色のオブジェクト、で大半を占めているというシンプルな構成なのですが、なぜだか、残りのわずかなスペースに描かれた、遠景の海と空の青さに、広々とした心地よさを感じました。そういえば、渡部さんの作品は、今年4月にチャームスイート京王聖蹟桜ケ丘のアートギャラリーホームオープニング前の見学会でも拝見しましたが、やはり遠景に海が見える風景がモチーフでした。

Shee_Award_2016_03s 渡部未乃さん「海が見える」

折笠晴美さん「-光の戯れ-(マンション)」は、夜のマンションの窓の様子が描かれています。いろいろな色が漏れている窓からは、それぞれの部屋にそれぞれの生活があることを感じさせてくれます。そういえば、FACE展2016で拝見した、中山紘樹さんの作品を思い出しました。同じように団地の窓というモチーフは似ていても、受ける印象はずいぶん違いますね。

Shee_Award_2016_04s 折笠晴美さん「-光の戯れ-(マンション)」

所彰宏さん「見えないことで見えること」には、いろいろな人の顔の表情が描かれています。水玉だったり、ウサギだったり、四角い箱だったり…。確かに、表面的には顔が見えないほうが、むしろ、それぞれの人の内面がはっきりと見えてくるのかもしれませんね。

Shee_Award_2016_05s 所彰宏さん「見えないことで見えること」

住石哲基さん「キミと」には、植木鉢のサボテンが二つと、植木鉢にさした色鉛筆が二本、描かれています。サボテンのとげが刺さると、お互いに相当痛いかもしれませんが、それでも、いっしょにいると良いこともきっと何かありそうですね。

Shee_Award_2016_06s 住石哲基さん「キミと」

水上卓哉さん「ともに生きる」には、大きく目を見開いた、オレンジ色の魚が描かれています。生きるものの存在感が圧倒的な迫力で描かれているようです。なぜだか、最近国立博物館で見たばかりの白隠禅師のだるまの絵を思い出しました。心の中に住む、容易ならざる生き物と、「ともに生きる」覚悟のようなものを感じました。

Shee_Award_2016_07s 水上卓哉さん「ともに生きる」

作家さんたちのポートフォリオが、ずらりと並んだコーナーが設けられていたり、過去の受賞作家を推薦していたり、若手の作家さんを後押ししましょうという暖かい配慮が、随所にみられました。

シェル美術賞は、今年で創設60周年の節目なのだそうです。そういえば、今年3月、箱根湯本の平賀敬美術館に行ったとき、お茶とお菓子をふるまっていただきながら、平賀敬さん(1936年-2000年)もシェル賞を受賞したと、奥様から直接お聞きしたことを思い出しました(「平賀敬美術館に行ってきました」へのリンク)。…ということで、しみじみ長い歴史も感じました。

第52回神奈川県美術展に行ってきました

日曜日, 9月 4th, 2016

第52回神奈川県美術展を見に、神奈川県民ホールに行ってきました。みなとみらい線の日本大通り駅から歩いて5分ほど、山下公園の近くです。

kanagawa_2016_02

とても楽しく拝見しました。アートは、時代を映す鏡のようですね。それでは、まことに勝手ながら、気になった作品をご紹介します。

kanagawa_2016_03 三崎口 千葉純子さん

おばあさんが、スイカとカボチャを売っているようです。スイカもカボチャもおいしそう。おばあさんの顔の表情も「おいしくできたよ、買っていきな」と言っているようです。

kanagawa_2016_04 標本 高松由佳利さん

とはいえ、皆が皆、豊かな時間を過ごしているわけでもなさそう。夜の電車に一人、仕事に疲れてうたたねをしているご様子。本当に、お疲れさまです。くれぐれも乗り過ごさないように気をつけてくださいね。明日は、きっと良いことがありますように。

kanagawa_2016_01 なんで生まれてきたの 杉山衿香さん
kanagawa_2016_05 わからない 民長桃香さん

この二つの作品のタイトルをつなげると「なんで生まれて来たの?」「わからない」に、なってしまいます。本当に、なんで生まれてきたんでしょうね? ちっとも、わかりませんね。

kanagawa_2016_06 鞄の人 石山友梨香さん

そんなときは、鞄の人になりきって、時間をやり過ごすのも一つの生き方なのかもしれません。なんとなく、そんな人が、多いように見えますよね。

kanagawa_2016_10 観察 三浦なつみさん

なるほど、観察する人になりきってしまって、観察対象に溶け込んでしまう、という手もありそうですね。意外に良い方法かもしれません。

kanagawa_2016_07 海の声 矢沢進さん

現代の聖家族の像でしょうか? ちょっと窮屈そうではありますが、家族という関係の中に身をおいてしまえば、ある種の安定感は得られるのかもしれません。とはいえ、「こんなところで、私、何しているのかな?」と、言いたげな表情をしているようにも、見えますが….

kanagawa_2016_08 Triplicate X 興梠優護さん

仲良しの同性の友人と完全に密着し一体化するのも良いかもしれません。本当にそんなことできるのかな?

kanagawa_2016_09 永遠の森「再会」 I 大庭京子さん

仲良しのパートナーと楽しく過ごすのが一番。でも、どことなく、嘘っぽさも、付きまとっているように見えてしまうのはなぜでしょうか?

kanagawa_2016_13 I’m going home 小平功一さん

kanagawa_2016_12 Can I Swim? ASADAさん

そうそう、体を動かすのは、気分も爽快、健康にも良いですね。”Of course, you can!”

kanagawa_2016_11 LOVE & PEACE 薮田凱斗さん

“Yes we can!” 今は、不可能にしか見えないことでも、もしかしたら、ひょっとしたら、いつかは、可能なことに変えることだって、あるのかもしれせんしね。そんな風に、信じてみたい。

kanagawa_2016_14 天と人の災禍 永山勲さん

なんで生まれて来たのか、わからない人にも、わかっている人にも、そんなことはお構いなしに、自然災害は、ある日突然やってくるようです。最近、こんな映像をよく見るような気がします。「なんでこんな目に合わなきゃいけないの?」という声が聞こえてきそう。

kanagawa_2016_15 地霊KUMAMOTO 磯野悦郎さん

そうそう、今年は熊本の地震もありました。磯野さんは、かわさき市民アンデパンダン展にも同じタイトルで出展されていました。今回は、同じモチーフが5個描かれています。ご本人によると、このモチーフ、人知の及ばない地下に蓄積した巨大エネルギーの開放を表現されているそうですが、何かに似ている、何だろう。そういえば、築地本願寺のインド風建物の正面からみると、こんな形にも見えますね。

kanagawa_2016_16 gate 河合真里さん

おや、こちらにも似たようなモチーフが… こちらのタイトルはgate、門ということですね。果たして、どこに続く門なのでしょうか? そういえば、浄土真宗の信者のことを門徒と呼ぶそうです。

kanagawa_2016_17 光降る 坂本久美子さん

樹々を通して射してきた光にふと気が付いて、上を見上げる。美しいと感じたものを、美しく表現されていて、とても心地よく感じました。拍手です。

第17回日本・フランス現代美術世界展に行ってきました

土曜日, 8月 6th, 2016

第17回日本・フランス現代美術世界展を見に、国立新美術館に行ってきました。会場は、エスカレータで登って、3階の3A展示室。

Met and enjoyed contemporary French fine arts in Exposition de l’Art Acutuel France-Japon avec participation multinationale held in the National Art Center Tokyo.

17th_France_Japan_00 展示会場の入口

日本の作家、フランスの作家、いろいろな作品が展示されていました。特に、フランスの現代作家の作品がとても珍しく、また面白いと思いました。調べてみると、そうそうたるアーティストのようです。(日本の作家さんの作品も良かったですよ) それでは、気に入った作品をご紹介します。

17th_France_Japan_01 ブラサン モニクBourassin Monique 「試飲」 混合 100 x 73

二つのボトルに二つのグラス、仲良しですね。お幸せに。

17th_France_Japan_02 ソワイエ ジャン Soyer Jean 「夜のベール Ref.D52」 油彩 100 x 81

思い切りの良いスピード感に、赤色のアクセントが効いていますね。

17th_France_Japan_03 シュミット ロベール G. Schmidt Robert 「モンマルトルのバイオリン」 アクリル 73 x 60

音色が聞こえてきそう。パリの地下鉄なんかでは、ミュージシャンがバイオリンを弾いていたりしますよね。

17th_France_Japan_04 ザッキ ジャン・マリ Zacchi Jean-Marie 「神秘の湾」 油彩 80 x 80

構図としては、山水画にもありそうなんですが。右下には赤いハンコのようなものもあるし。

17th_France_Japan_05 コスタ ベイロ アルフォンソ Costa Beiro Alfonso 「水平線」 アクリル 65 x 81

あまり、水平線のようには見えませんが、色が飛び跳ねていて楽しそう。

17th_France_Japan_06 ウシンスキ アンドレア Uszynski Andrea 「森の中の印象」 油彩 116 x 89

秋の森でしょうか? 空気の透明感を感じました。

17th_France_Japan_07 アルバウィ ムラッド Harbaoui Mourad 「瞑想」 油彩 65 x 81

チュニジア出身の作家さんらしいです。心の中の対話が聞こえてきそうです。

トーキョーワンダーウォール2016入選作品展(第2期)に行ってきました

日曜日, 7月 17th, 2016

トーキョーワンダーウォール2016入選作品展を見に、トーキョーワンダーサイト渋谷に行ってきました。

今回は、明治神宮前駅からハチ公バスに乗って、宮下公園前のバス停で下車。山手線のガードの下をくぐり抜けて、トーキョーワンダーサイト渋谷のある、渋谷区立勤労福祉会館にたどり着きました。

TWW2016_02 トーキョーワンダーウォール展示会場の入口

第二期も、第一期に引き続いて平面作品が展示されていました。それでは、早速、気になった作品をご紹介します。

古川穂波さんの真夜中の吸盤つきコアラは、ほぼ白黒モノトーンで描かれた作品です。テーブルの上に伏せておかれたステンレスボウルらしきものの上にコアラが座っています。コアラの周りには、バナナ、パイナップル、リンゴなどの果物と、7-8本のろうそくが置かれています。金属製のボウルの表面には、果物やろうそくが映っています。何かの儀式が、厳かにとり行われているところなのでしょうか???

浜口麻里奈さんの浮遊する気持ちは、一見、グリーンの色調の、植物が絡み合った、唐草模様もようにも見えます。ところが、よく見ると、人の形がひとり、ふたり、三人、…。あちらにも、こちらにも。植物の茎に見えた、筒のようにみえたものは、実はスカートだったりします。それでは、それぞれ人なのか、というと、そうとも言えない。植物なのか、人なのか、境界があいまいな世界です。

馬場かおりさんの不安定な律と、サイクリンは、淡い色調のパッチワークのような作品です。それぞれの領域には、縦じま、格子模様など、独特の質感を使って描き分けられています。ちなみに、タイトルにある「サイクリン」というのは、細胞が増殖するときの細胞周期を制御するたんぱく質を意味するようです。はたして、この絵とタイトルの間には、どのような関係があるのかな???

森裕子さんのHOBBYは、室内の窓とテーブルの上の花瓶をモチーフに描いた作品です。なぜだか、今回は、窓は閉められていて、外の様子はよく見えません。その代わりに、テーブルの上では、不思議な光景が繰り広げられています。テーブルマットの上には、人があおむけに横たわっていて、片手にはステッキをもち、まっすぐ真上に立てています。足元にはスイカやカボチャ。膝や額には花瓶が置かれています。

YUMIさんのframe no.2は、四角いキャンバスの上に、こってりとした黄色い厚塗りの絵の具で四角い形が描かれています。周囲を取り囲むように、やはり厚塗りで、ベージュ、グレー、クリーム色の全体的に明るい色調を使ってフレームが描かれています。どっしりとした存在感と安定感が心地よく感じられました。

第24回かわさき市民アンデパンダン展に行ってきました

日曜日, 7月 3rd, 2016

第24回かわさき市民アンデパンダン展を見に、アートガーデン川崎に行ってきました。

JR川崎駅東口のエスカレーターを下りて、左に折れて、ほどなくタワーリパークのビルにアンデパンダン展の幕が見えてきました。エスカレータで3階に上がると、会場のアートガーデン川崎のギャラリーに着きました。

Kawasaki_Independents_2016 アンデパンダン展の垂れ幕

多彩な、絵画、写真、書道の作品が数多く展示されていましたが、気になった絵画作品をご紹介します。

石田まさ美さんの「ゆったり」、紙に薄い水彩で描かれたのでしょうか? ビンのようなものと顔らしきものがゆったりと描かれています。まんまる目玉の風神を連想しました。

森聡美さんの「歯車」、錆びた色の歯車、青みがかった歯車、黄色みかかった歯車が、ギシギシと音を立てながら回っている様子が伝わってきました。

佐伯るり子さんの「稲穂」、和紙に墨で、こうべを垂れた稲穂が描かれています。稲の一粒一粒、墨の濃淡で描き分けられています。

パーシンガーアレンさんの「NATURE#1」、油彩の赤富士です。空も赤、地面も赤。特に厚塗りの赤い雲が印象的でした。

田中ジュリサさん(アトリエグリーンアップル)の「彼方へ」、馬が勢いよく走り、その横をフクロウが飛んでいます。「よし行くぞ」、「わかった、それで、どこに行くんだ?」、馬の鋭い眼と、フクロウの黄色いくちばしが印象的でした。

戸﨑健也さん(アトリエグリーンアップル)の「みんなの顔」、いろいろな動物の顔がいろとりどりに描かれています。全部で16匹? それぞれの眼と表情がかわいい。

亀ヶ谷豊さんの「光」、「四季」、キャンバスの上に風景写真と薄塗の油彩が多層的に重ねられています。

青木和江さんの「太古の詩I・II」、青い色調は海の底をイメージさせます。絵の具のうねりが水の動きを、白い輪は泡を連想させます。

黒沢進士さんの「ターバンライオン」、黄色い背景に、百獣の王ライオンの顔がカラフルな色で描かれています。V字型の眼が怖いような、いやいや、まったく怖くないような…。

阿部仁美さんの「花瓶」、ガラスの花瓶にバラの花が5輪、よくよく見ると、こちらにも1輪、あちらにもう1輪。かわるがわる、次々に咲き広がる様子を連想しました。

Kawasaki_Independents_2016_Isono 磯野悦郎さん、地霊KUMAMOTO、F50

磯野悦郎さんの「地霊KUMAMOTO」、黒い背景に、大きな白い逆U字型が描かれています。ご本人によると、和紙にモノタイプという版画の技法を使って描かれたとのこと。熊本地震で突然解き放された巨大パワーを前に、恐れおののく人々の心を表現されたとのことです。

トーキョーワンダーウォール2016入選作品展(第1期)に行ってきました

日曜日, 6月 26th, 2016

トーキョーワンダーウォール2016入選作品展を見に、トーキョーワンダーサイト渋谷に行ってきました。

渋谷駅前のスクランブル交差点から、公園通りに沿って、西武デパートを過ぎたところで左に折れ、最初の交差点にある渋谷区立勤労福祉会館の一階に、トーキョーワンダーサイト渋谷のギャラリーがありました。たどり着くまで、とにかく、通りには、人人人。

TWW2016_01 トーキョーワンダーサイト渋谷の入口

例年ですと、東京都現代美術館MOMATで開催されているのですが、今年は、大規模改修工事中で休館中とのことです。スペースの関係からか、三期に分けての展示をするそうです。今日は、まず第一期の平面作品の展示。館内に入ると、街中とは一転、静かなスペースでした。

奥村彰一さんの<<おねえ山水 記録の先の桃花源>>。今回は、なんとお姉さんが逆立ちをしている?? よく見ると短パンをはいているし、手には棒を握りしめている。もしかして、棒高跳び?? 記録というのは、棒高跳びの記録のことでしょうか?? そういえば、もうすぐ、リオデジャネイロのオリンピックですね。それにしても、シャツのおなかのあたりから、鳥が顔をみせている?? 絵の構図は、オリンピックというより、サーカスか、アクロバットのようです。

都築崇広さんの<<構造用下地材の風>>。素材はOSB材というそうで、詳しいことはわかりませんが、見た目は、なんとなく木くずを高圧でプレスしたような板のようです。下地に使うというのであれば、おそらく高価な木材ではないのでしょう。板の上に、いかにも間伐材のようなほっそりとした針葉樹が、何本も描かれている。まだ山にいたころの記憶が、ふとよみがえったのでしょうか? ところどころに描き残した空間が、山に吹く風を連想させています。

田中秀介さんの<<道づくり>>。モチーフは、白いヘルメットをかぶった道路工事の作業員たち。バーナーでアスファルトの表面を溶かしている人、それをならす人…。きつくて、危険だけれど、大切なお仕事。でも体の動きが面白い。もしかすると、作者の方は、道路工事のアルバイトをしながら、作家活動を続けておられるのでは??

佐藤天音さんの<<振り向きざまの>>。画面左手に、ヘッドフォンを手にした両手、画面右手にヘッドフォンを耳にした頭部。手と頭が分離しています。背景の水色の四角が両者を結びつけている?? 心と体の分離を表しているようにも見えます。ただ、それほどの違和感は感じない。日常を淡々と描写しただけなのかもしれません。

残念ながら、写真撮影はできませんでした。図録があると良いなと思いました。

FACE展2016に行ってきました

土曜日, 3月 19th, 2016

FACE展2016を見に、東郷青児損保ジャパン日本興亜美術館に行ってきました(3月27日(日)まで)。新宿駅西口の損保ジャパン日本興亜本社ビルの美術館の入口から専用のエレベータで42階へ、高層階にある美術館です。写真撮影可(ただし、フラッシュはダメ)でした。

FACE展2016 美術館の入口にて

思い切り力の入った、大きな作品がずらりずらりと並んでいたのは、圧巻でした。それでは気になった作品から。

滝浪文裕さんの「最初の晩餐」(2015年130.3x162cm油彩・キャンバス)は、お母さんと小さい三人の子供の食事風景です。お母さんは一番小さいお子さんの面倒を見ています。お父さんの姿は見えませんが、お父さんは絵を描いているということかな? お母さんは、あまりご機嫌が良いようには見えませんが、「あんた、何のんきに絵なんか描いてるのよ」と言っているようにも見えます。 現代の聖母子像とも言えそうです。

中山紘樹さんの「Danchi Mode」(2015年194×162.2cm油彩・キャンバス)は、ちょっと昭和風の団地のベランダ15軒分の風景。布団や洗濯物が干してあったりして、お天気が良いのでしょうね。それぞれのお宅の生活が感じられて、懐かしい雰囲気を感じました。

渡辺泰史さんの「Last Man Standing」(2015年193.9×162.1cmエアブラシ・アクリル・石膏)には、やはり昭和を感じさせるコカ・コーラのびんが画面からはみ出して大きく堂々と描かれています。コカ・コーラのびんと遠景の工場の煙突とを対比するような構成です。コカ・コーラのびんは画面から少し手前に盛り上がりっていました。この部分は石膏でしょうか? ネットで調べてみると、コカ・コーラの絵にはいろいろなバージョンがあるみたいですよ。

奥村彰一さんの「逍遥吉祥連峰」(2015年 198x130cm墨・岩絵具・和紙・三彩紙)若い女性が二人、一人は金色の鯉、もう一人はうさぎを抱っこしているようです。タイトルは二人の女性を山の峰に譬えているのでしょうか。おねえ山水にもいろいろなバージョンがあるようです。今回は、いつもより、少しよそ行き顔のように見えました。

今井陽子さんの「みずかがみのすみか」(1995年194×130.3cmミクストメディア・綿麻布)水面に蓮の葉が浮いていて、水面には向こうの青空や木々が映っているようです。よくみると水の中には蛙が泳いでいる。気持ちよさそうです。いっしょに泳ぎたいな。

小川直樹さんの「彷徨」(2015年194x162cm油彩キャンバス)暗い背景の中に無数の光がちりばめられています。遠くから見ると夜の水面の反射を連想しましたが、近くで見ていると画面に吸い込まれるような錯覚を覚えました。

森裕子さんの「空中ブランコと刺繍」(2015年162×130.3cm油彩・アクリル・キャンバス)室内に置かれたテーブルの上には、制作途中の花柄の刺繍が広げられています。その向こうに窓が開いて、遠くに少女が空中ブランコをしているのが見えます。画面全体が光に満ちあふれていて、どこまでが室内で、どこからが窓の外なのか、もはや判然とはしません。

作品リストがダウンロードできます。図録はミュージアムショップで1000円でした。図録には作家の略歴も書かれていますよ。

川崎市美術展に行ってきました

日曜日, 3月 13th, 2016

今日は、川崎市民ミュージアムで開催中の第49回かわさき市美術展に行って、主に平面の部の絵画を見てきました(3月20日(日)まで)。それぞれ個性的で、楽しめました。良かったです。

2016_川崎市美術展 川崎市民ミュージアムの入り口

絵の額装が、高級そうな立派なものから、角材を釘で打ち付けたようなものまであり、まちまちだったのが面白かったです。おそらく、描いた人の年齢もまちまちなんだろうな、と思いました。

ヤング大賞、中高生の部の永井武志さんの「僕のおぱあちゃん」が、好きでした。おばあちゃんはお孫さんが大好きなんだろうな、お孫さんはおばあちゃんがだいすきなんだろうな、という雰囲気が伝わってきました。

田嶋正枝さんの「蠢く街」、建物がたくさん描かれているのですが、よく見ると、大きな亀の甲羅になっていました。山にへばりついたように建っている様子が、亀の甲羅にみえたのかな?

山本隆一さん「パラダイスへ」お酒のびんらしきものが4本意味ありげに並んでいて、見ているだけでうきうきした感じがしました。お酒を飲んでパラダイスへ行こうということかな?

後藤恵美子さん「憩い」、テーブルの上に、赤いグラスと青いグラス、テーブルの向こうに椅子が二脚、椅子の脚がなぜか蟹股と内股、色とりどりで楽しそう。

黒沢進士(ゆきお)さん「美女と鬣(たてがみ)」、画面の中央に女性の顔、右の眼は青く優しくて、左の眼は赤くちょっとこわい。女性の髪の毛は、四匹のライオンの鬣につながっている。優しくて強い、ライオンの心をもった女性なのかな?

講評には、「小品ながら高いクオリティーやインパクトや技術など優秀な作品が多くありました」とありましたが、本当に小さいものでも面白い絵があり、楽しめました。それぞれにサイズが違いのおかげで、展覧会全体の印象が良かったような気がします。

入賞・入選作品集(冊子)のPDFがダウンロードできます。